『働かないふたり』 第192回 #771「旅の誘い」
第12巻 #724「同級生」で守のお母さん(和子)は中学の頃の同級生(幸恵)に会い、近況などをお互いに話し合います。そんな中で幸恵さんは息子(ソウタ)がブラック企業に入社したものの会社を辞めてしまい、今は毎日何もしないで家にいるという話をします。
その続きが第192回#771「旅の誘い」です。
ソウタは部屋に引きこもり、部屋からは出てきません。そこへ訪ねてきた守が、ソウタをインド旅行へ誘います。ニートの守はソウタの気持ちが分かり、ニートでいることの辛さなどを話しながら、旅へ誘います。
吉田覚『働かないふたり』
ニートの守にはお金がないので、どうするのか気になったソウタがドア越しに問うと、金はソウタの母(幸恵)にもらうとか言い始めます。そして、ソウタはドアを開けます。
吉田覚『働かないふたり』
~自分が親の立場になってわかるんですが、ここでドアを開けたときのお母さんの顔と言葉がこの話の中で一番好きですが、それは皆さんが自分で漫画を読んでみてください。しばらくは無料で見れると思います。~
そして、二人でインドへ行きます。
吉田覚『働かないふたり』
守のコミュ力の高さはこの漫画を通して常にアピールされてきました。初対面の丸山の友達といきなり意気投合してみたり、母にかかってきた電話を取り次ぐまで世間話をしてみたりと、抜群のコミュ力です。そのコミュ力を発揮し、同じニートであり自分の殻と部屋に閉じ籠ってしまったソウタの扉をひらきます。
※ソウタさんの名前をカタカナにしているのは12巻のおまけ漫画では聡太となっていますが#771では相太となっているためです。
私自身のインドの思い出
新卒で会社入った会社で、入社1か月後にいきなりインド出張になりました。当時は会社に入ったばかりでデジカメも何も持っていなかったので、写真なんて一枚も残っていません。思い出はこれでもかというくらい残っているので、せっかくなんで思い出話。
今から10年くらい前の話。
写真は誰かに任せよう。
- 渋滞
ある日高速道路(片側4車線)で移動していると、何もないのにいきなり渋滞している。なぜかさっぱり意味が分からない、原因不明である。渋滞の先頭にたどり着いた時にみたものは、大量の羊を連れた羊飼いのおっさんが2車線を占拠して羊を移動させていた。 - 黒い牛
インドの夜は暗い、大都市は別だが私が住んでいたところにはろくに街灯もついていなので、夜は真っ暗だ。ある夜歩いているといきなり目の前に暗い何かが現れた。いきなりである。暗闇の中を遠くから歩いてきた真っ黒な牛だ、暗闇に紛れて全然分からなかった。 - 酒を飲んではいけない理由
イスラム教では酒を飲んではいけないんだけれど、インドでも酒はあまり好まれていない。インドでも酒は売っているので飲むことはできる。ある日酒をたらふく飲んだ夜中に停電でエアコンが止まった。インドの夜は暑い、夜でも35度以上なんて当たり前だ。
その日はボトルの水も飲みほしていたので、夜に飲むものがない。うっかり水道の水なんてそのまま飲むとインド初心者の僕には何が起こるのか分からないので、酔っていても水は飲めない。干からびて死ぬかと思ったのと同時に、イスラム教が酒を禁止している理由を身をもって実感した。昔、深酒して死ぬヤツが結構いっぱいいたんだろうな。 - 野良犬、野良豚、野良猿、野良牛・・・・
『働かないふたり』で守が言っていますが、インドには働かないで昼からぶらぶらしているおっさんなんて山ほどいます。野良人間もゴロゴロいます。物乞いとかそういうのではなくて、野良人間としか形容できない人間がいるんですよ。 - タージマハルのにおい
タージマハルは寺院なので、靴を履いたまま入ることはできない。みんな裸足で入る、高温多湿のインドで、みんな裸足である。タージマハルは大変美しい建物なんだけれど、建物の中はむせかえるような足のにおいだ。 - 街道沿いにいきなり・・・
それなりにちゃんとした国道のような道を走っていると、道の脇にいきなり高さ10mくらいのなんだか分からない仏像の様なものが建っている。宗教の知識があればわかるのかもしれないけれど、私にはなんだか皆目見当がつかなかった。 - 意外とおいしいもの
紅茶の産地なので、お茶はめちゃくちゃおいしい。イギリスの植民地だったのもあるので、クッキーとかもめちゃくちゃおいしい。 - カレーのにおい
今の会社に入ってからの話なんですが、インドにある工場から年末の挨拶状が届いたときににおいをかいだ僕がひとこと「この書類カレーのにおいがするよ」と言ったところ、みんな騙された。
他にも色々思い出があるんで、思い出すたびに書こうと思います。
インドにはトータルで半年くらいいたのですが、いるときはすごく嫌でした。世界観が変わるということはありませんでしたが、いい体験でした。自分の人生の中でインドという体験を若い時にできたのは、心の底からいい体験だったと思います。日本をはじめとする先進国には存在しえない混沌がインドには存在しています。汚職、わいろ、道のど真ん中にいきなりある穴とか、何もかもがいい思い出で、何もかもが懐かしい。
※漫画とかテレビのドキュメンタリーでインドで屋台飯食ったり、川に入ったり、水道の水飲んだりしている人がいますが、絶対にマネしない方がいいです。取り返しのつかないことになる場合があります。出張者によっては緊急帰国する人とかもいます。
おしまい