ちょっと、俺

読者は主に自分のブログ

一族経営の会社の話

いなば食品が話題である。

・ボロボロの社員寮

・経営者一族の私生活の世話を従業員にさせる

・契約と違う給料の提示

・どうしようもない謝罪文

「同族経営の会社なんて、大体そんなもんだよ」というのが俺が持った正直な感想だし「できるだけ同族経営の会社に入らない」というのは健康な社会人生活を送る上ではこの上なく大切なことだというのはこれからも忘れないで生きていきたい。

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俺が新卒で入った会社も同族経営の会社だった。従業員100人くらいの会社でいなば食品とは全然規模が違うけれど、会長(創業者)、社長(長男)、常務(次男)、取締役(三男)、財務部長(長女)、工場長(会長の弟)、総務課長(親戚のおばさん)という感じで、会社の要職は全員親族で固められていた。

会長は自分で事業を興し会社を大きく成長させてきただけであってこの上なく優秀だったんだけれど、自分の子供たちには心を鬼にして接することができなかったようで、要職を任されていた子供四人は総じてどうしようもなかったというのは記憶に残っている。

全員よその会社を経験することなく生え抜きでお父さんの会社に入って甘やかされて、3年に一つずつポジションを上げているので、もうどうしようもない感じに育て上げられている。ここで兄弟4人のポンコツエピソードを紹介したい(これはほんの一部)。

  • 社長(長男)
    東日本大震災後の新卒採用の面接で「東日本大震災を受けての一人リアクションをしなさい」という意味不明な質問を追加、猛烈な反対にあって表には出なかった。
    朝4時か5時に出勤してきて、缶ビールを2〜3本飲んでから仕事。その後車でどこかに出かけたりもするが、奇跡的に飲酒運転で捕まったことはない。
    毎朝の朝礼で30分前後の長い話を繰り返す。
  • 常務(次男)
    脳梗塞で倒れたが奇跡的に二週間の入院で後遺症もなく復活。その後一緒に休日出勤して先輩と先に帰ろうとして挨拶に行ったら、両手に大量のお菓子を持っていた。先輩と二人で「もう一回脳梗塞やるな」と言っていたら数日後に再発し再入院、それでも奇跡的に後遺症なし。
    どうしても海外に行きたくなくて、海外案件で口だけ出すけど現場には来ないを繰り返していたら案の定失敗。責任を被るのは現場の社員で本人は相変わらず口を出すだけ。
  • 取締役(三男)
    アメリカ法人を立ち上げ社長をしていたけれど、事務仕事が絶望的にできないため、モノを売っても見積を出さないため回収できない、工事へ行っても見積を出さないので回収できないというようなことを繰り返しているうちに経営が立ち行かなくなってしまう。本人もアメリカでの不摂生が祟って体を壊しお父さんから「アメリカ法人を閉めて帰ってこい」と言われて、アメリカ法人の権利を他社に渡し帰国。少しだけアメリカ法人に関わっていたが、あんときにきちんとした商売ができて、真面目に仕事に取り組んでいたらアメリカ法人を潰す必要なんて全然なかったと思っている。
  • 財務部長(長女)
    中国の過酷な現場から帰ってきた社員に「会社の金で海外行ってきたのに感謝がない」とか意味不明な暴言を吐く。
    忘年会で残った料理はパックに詰めて全部持って帰る(わかる)が、スープをゴミ袋に入れて持って帰っているのには、マジで引いた・・・。何も知らない奴が見たら「誰か粗相したのか?」以外に感じない。

と、まぁ、こんな感じでポンコツ揃いの一族ですが、業界では革新的な技術を有していたのと、会長と一緒に若い頃からやってた人は優秀な人が多かったので、そういう人たちに支えられながら会社はなんとか飛行し続けることができている。

どんなに頑張っても、どんなに一族がポンコツでも、部外者がこの一族を超える立場の職に就くことは不可能というのが、一族経営のオーナー企業に勤めるということなんである。ルールとか就業規則も、一族の都合がいいようにコロコロ変えられる。

 

就職するときに絶対入っちゃいけない会社は「役員の苗字が全部同じところ」だよ。