本好きの守は友達の小説家志望の戸川さんに本を貸します。
星野道夫さんが書いた『旅をする木』という本です。
戸川さんはその本をなくしてしまい、なくした本は女子高生に拾われ、その後多くの人の手に渡っていきます。
読了した日を本に書き込むという、謎のルールとともに本は守の手に帰ることなく人々の手の中を旅し続けます。
14巻のおまけ漫画の中で本を拾った女子高生(なつき)の話が出てきます。
- 場合によっては泣けて
- 場合によっては笑える
- 面白い本
- 読んでみたら、いつも見えている景色が少しだけ違って見える
なつきは本にこんな感想を持ち、本を友人に貸し、そこから『旅をする木』は色々な人の手を手を渡り旅を始めます。
16巻のおまけ漫画の中でこの本の話はもう一度登場しますが、その話は漫画を買って読んでみてください。
漫画の中で推している本なので、私も買って読んでみました。
非常にいい本だと思いますが、私の持った感想は女子高生のなつきが持った感想とは違います。
#614『最高の一人』(コミックス10巻)の中で、守は戸川さんの書いた小説を自分のブログに載せて、評価します。
『旅をする木』を読んだ私の感想もこんな感じで、美しい言葉で世界を肯定しているというのが単純な感想です。
厳しいアラスカの自然の中に生きる人や動物の世界を、綺麗な言葉で紡いでいく。
これまでの体験や経験、これからの自分について、肯定的に捉えていく。
人生を変えるほどではないかもしれませんが、世界は広いというのを実感させてくれるいい本だと思います。
子どもの頃にみた風景がずっと心の中に残ることがある。いつか大人になり、さまざまな人生の岐路にたった時、人の言葉ではなく、いつか見た風景に励まされたり勇気を与えられたりするようなことがきっとあるような気がする。
私は人よりも少しばかり外国に行く機会に恵まれていて、外国文化とかにかぶれているところもあるかもしれませんが「旅行でも仕事でも、家族の用事でもなんでも、外国へ行くことはいつだってキラキラ輝いている素晴らしい経験なので、海外には尻込みしないでどんどん行くべきだ」と思っているし、自分の子供にもそうしてほしいと思っています。そこで見た風景や体験はきっと、一生の宝物になります。
終わり