弊社の主力製品で超絶トラブっている。どんくらいトラブっているかというと、人海戦術に登用されているのが末端の平社員だけではなく、役員まで対象になってるくらいトラブっている。今の会社入って4年だが、このレベルのトラブルは初めてだ。本部長から「この件を最優先しろ」というメールが回ってきて、日曜の朝に上司からガンガン電話かかってきて「今から行ける?」って言われるくらいのトラブルだ。
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日曜の朝、俺は現場仕事に備えて前日から甲府に泊まっていた。朝6時、なんか会社の携帯がずっとぶんぶん鳴っている。1分おきくらいに鳴っている、うるさい。起きて会社の携帯をちらっと見てみると、直属の上司から1分おきくらいに着信がある。
「どっかでトラブって俺に連絡がつかないから上司んとこ行ったかなぁ〜」と少しドキドキしながら電話を折り返すと上司が「今、白州ですげぇトラブっていてとにかく人を投入しないといけない、今から行ける?」という。
俺:「ちょうど近所で仕事あって甲府にいるんで、そっちはサービスエンジニアに任せられるんで今から白州行きます」ということで、朝9時に白州に行ったら想像を超える修羅場だった。20人くらいの弊社社員がいたんだが、全員寝てなくて夜通し働いていて、ゾンビがあちこちを跋扈している。「新人類さんがきてくれて助かりました、とりあえず寝てない人を一人帰せます」ということで、20時間くらい寝てない人とチェンジ。俺の後に続々と入ってくるヘルプの人と入れ替わるゾンビたち、ゾンビが駆逐できたと思ったら、今後は朝9時から夜9時まで働いた自分がゾンビになるという地獄。
そして、この地獄は終わりが見えない、本当の地獄。片足を突っ込んだ以上最後まで付き合うんだが、無限の出張と休日出勤がどこまで積み上がるのかマジで楽しみなレベルの大スペクタクルトラブルで、全員アドレナリン全開である!
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さて、標題の「情けは人の為ならず」という諺。
今回トラブっているのは俺が普段関わっている製品とは全然関係ない。同じ会社の設備でそこそこ接点はあるけれど、全然ないと言われれば全然ない。「俺、関係ないも〜ん」といえば全然関係ない設備なんである。
しかし、俺の勤め先の主力製品であるのは間違いなくて、この製品が会社の売上の8割以上を持ってきているし、売り上げがでかいなりに関わる人も多いし、社内のベテランの人や上役の人もみんな関わっているし、その製品が会社の名前になっているレベルの商品である。「俺、知らないも〜ん」でもはや突っぱねられないレベルの商品なんである(これで知らんふりを貫く人もいる)。
俺も全然畑違いの仕事をしているので「俺、知らないも〜ん」で通すこともできるんだが、将来自分がその製品の仕事をすることになった時、その製品に関わった時、自分の今の製品で全社を巻き込むトラブルが起きた時に、「あん時Shinjinさんは『俺、知らないも〜ん』って言って逃げましたよね?あん時、知らんふりしましたよね?あん時手伝ってくれなかったですよね?俺、もちろん手伝いませんよ?」という未来が少しだけ、チラチラ見えたんである。
自分が将来トラブった時に他の人にきちんと気持ちよく助けてもらうために、見捨てられないために、こういう時に手が空いていてヘルプに入れるのなら、俺はできるだけヘルプに入るようにしている。面白そうとか、休日出勤手当が入るとか、そういう邪な動機もなきにしもあらずというか、そういう動機しかないけれど、それでも助けられる人がいるのなら助けるのが絶対に自分の将来にとってプラスになるんである。
トラブルの渦中にある同僚を助けるというのは、同僚氏を助けるのももちろんなんだが、将来の自分を助けるための貯金みたいなもんなんである。俺がもう一つ知っていることがあるとすれば、人を助けようとする姿勢とか、トラブルと向き合おうとする姿勢というのは、社内の誰かが必ず見ていていつか自分の評価として必ず返ってくるんである。
今日は筋肉痛で全身が痛いので、これで終わり