もう15年も前になるのだけれど、初めて妻の母と会ったときの話(妻の父は30年前に他界)。
23歳にもなって仕事を特にしないで、毎日酒ばかり飲んで遊んでいる、髭面、長髪の男がきて「恋人なの」と言われる。妻の母とあっても話すことがないので酒ばかり飲んでいる。妻の実家に遊びにいっても夜中までずっとゲームをして昼過ぎにのこのこ起きてきて冷蔵庫の中のビールを勝手に飲み、生ハムやサラミなども勝手に食べて、相変わらずビールを飲んでいる。
一応就職は決まっていて、4月から社会人になる予定でそのことは知っていたものの、風貌と態度をみたら、俺が親の立場だったら「別れなさい」以外の言葉が出てこなかっただろうな。
それから3年くらいして結婚することになったんだけれど、当時静岡で働いていた俺は仕事を辞めて東京へ引っ越して仕事を探すことになった。退職→結婚→転職という流れを踏んだのだが、結婚当時のステータスが「無職」というのを聞いたら、結婚を思いとどまるようにやっぱり促したと思う。
結婚した後もメンタルを病んで休職→転職→半年後にまたまた転職、と、一筋縄では行かないような社会人生活を歩んでいる。手堅く公務員などをやっている友人たちに遠く及ばないような不安定さである。付き合ってるのも、結婚するのも、妻の母はよく認めたなと思うし、その寛大さには頭が下がるばかりだ。
妻が日本人と結婚して寂しいところはあるだろうけれど、何度も何度も来日し、有名な日本の観光地は一通り巡っているので、友達や親戚に対しては日本自慢の種も尽きないようだし、日本に詳しいおばさんとして近所での地位を獲得している、というのは伝え聞いている。
コロナウイルス が早いところ収束してもう一度日本に来れる日を心待ちにしているらしい。70をすぎてもまだまだ元気とはいえ年齢の問題もあり時々病気で入院したり手術したりしているので、残された時間も少ないと思うので、早いところコロナが収束して日本にもう一度遊びに来れるといいなと、ほんの少しだけ思っている。
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俺が初めて妻の母と会った時に付き合っていた男は当時45歳くらいの、職業不詳の子供部屋おじさんでだったのでそれに比べると俺はずっとマシだったと勝手に思い込んでいる。
妻の母は日本に来てもあんまり役に立たないどころか足を引っ張りまくった過去があるので、できれば3週間くらいで帰って欲しいと勝手に思っている。
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終わり
