自分の話じゃなくて、先輩の話なんだけれど。
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タイで、とある工場に設備の立ち上げに行った。
工場はできたばかりで、社員食堂も何もない。
毎朝、工場へ行く途中のコンビニでサンドイッチや飲み物を買っていく。
しかし、酷暑の中のタイである。
サンドイッチなんて昼飯まで外に置いておくとすぐに悪くなってしまうし、飲み物はすぐにぬるくなってしまう。
周りには冷蔵庫も何もないし、クーラーボックスなんて言う気の利いたものも用意していない。
悩んだ末の回答は「機械の制御盤クーラーの温度を目いっぱいまで下げて、その中に保存する」というものだ。
その期間だけは通常28度に設定されている制御盤内の温度がLoに設定されて、中はキンキンに冷えていて、サンドイッチも冷たいままだし飲み物も冷たいままで、快適に昼食をとることができた。
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先輩の話なんだけれど、私はこの話が大好きです。
実際のところは、工場の建屋も施工中で壁も何もなくて、休憩は木陰に段ボールを敷いて昼寝という、かなり過酷な環境だったようです。
おしまい