ちょっと、俺

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兄よ

兄よ。

会社都合退職で無職になって、すぐに失業保険が出てるのは知っている。15年近く勤めた会社なので240日間もらえるのも知っている。だからと言って「しばらくは失業保険で暮らそう」などと考えない方がいい。

特にやりたいことがないのなら、どんな仕事であれ、無職の期間は1日でも短く、すぐに社会復帰した方がいい。一度身についた怠惰な生活を抜け出すのは、想像を絶する苦労が伴う。怠け放題だった大学生が社会人になるのと、四十の怠け放題の男が社会復帰するのは、次元が違うと思った方がいい。

東京に来て就職活動をして、コロナウイルスを理由に俺に会わないのは別にいい。でも、今後信用力の低い人の保証人になろうとしている弟(俺)にいきなり「仕事と家を決めたから保証人頼む」なんて言われても、俺は保証人にならないぞ。

転職活動がどのように進んでいるのか、どこでどんな仕事をするのか、年収はいくらくらい欲しいのか、借金とはどうやって決別するのか、引越しの費用はどうやって捻出するのか、家はどの辺にどのくらいのところを探すのか、ろそろはっきりさせて次に東京に来る時にきちんと話して欲しいと俺は思っているぞ。

今後父親が死んで、俺の弟が「家を買うことになった」とか「引っ越す」とかいうので、俺に保証人を頼まれたら連帯保証人でなければ二つ返事でOKすると思う。弟は仕事も続けているし、借金もない、必要な資格もコツコツ取得して、昇進もして、社会的な信用を十分に積み重ねている。だから、OKするんだ。

兄よ、サラ金から数百万の借入があり、その全容が不明な人の保証人なんて誰もしないぞ。最も近い身内の弟でさえ保証人の件については深く考えているんだ、自分に社会的な信用がないというのはもっと自覚した方がいいぞ。

多分ギャンブルで作った借金なのは、なんとなく気づいているんだ。

無職になって暇になって、退職金でまとまった金が手に入れば、パチンコに行っちゃうだろ、スロットに行っちゃうだろ、100万、200万、簡単に溶かせるぞ。退職金という初めて見る100万単位の金で気も大きくなるだろ、使っちゃうだろ。それもあって「無職」という時間のある状態は1日でも短くしないといけないんだ。虎の子の退職金が無くなったらどうするつもりなんだ?

兄よ、俺はそんなに優しくないぞ。多少作り込みが甘くてもいいから、俺がある程度理解できる理屈で計画しないと保証人はしないぞ。信用がないというのはそういうことだぞ。

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いつか自分の父親が一線を退いたり、ボケたり、死んだりした時、多分兄弟に責任を持つのは母親ではなく俺なのはなんとなく気づいている。歳を取れば入院もするし、家を買うかもしれない、これからの人生で金とか信用の問題なんていくらでもついてくる。金の問題がついて回る兄とどのように付き合うのか、信用とはなんなのか、よく考えさせてくれたこれ以上にいいサンプルだったよ。場合によっては甥っ子を預かるというのは、兄の借金が判明した一年以上前から俺の人生の選択肢には常にあるので、何かあれば甥っ子は俺に預けて欲しいと思っている。