先日、退職した後輩から聞いた話によると、弊社は転職エージェントからブラック企業認定を受けてしまい「このまま是正しないと人を紹介しません」と宣告されたらしい。転職エージェントは企業に人を紹介することで利益を得ている会社なのに、そういう会社から取引を断られるとは、大したもんだと思います。
どういうことをしていたら転職エージェントに断られたのか、包み隠さず書いていくよ。
会社概要
アメリカに本社を置くメーカーの日本法人(子会社)、いわゆる外資系というやつです。しかし日系企業の買収という経緯をたどっているため、社風としてはバリバリ日本の会社のような風習が残っています。年功序列とか、決まらない会議とか、どこの日系企業でも抱えているのと同じような生産性の低さを抱えています。
製造拠点はすべて海外にあるので、日本法人は営業、サービス、財務、総務しかいません。常駐している外人は社内にはいなくて、時々本社からきて「おらぁ!」と言って帰ります。従業員は50人くらいで、売上高は60憶~100億円くらい。
唯一無二の技術を保有していて、商権が非常に強くマーケットでも圧倒的な存在感を放っています。
ここ最近の採用活動について
私は2012年に入社して奇跡的に続いているのですが、基本的に新人は叩いて育てる文化で、縁故採用であっても有無を言わさずにつぶしにかかります。
2012年:1人(私)/(残留)
2013年:4人(1人残留)
2014年:2人(退職)
2015年:1人(退職)
2016年:0人
2017年:1人(退職)
2018年:3人(1人残留)
2019年:人を紹介できない旨の通告を受ける
私の後に入った人で続いている人は2人しかいないのを見ると、異常な退職のペースです。最初は私も「やめたやつが悪い」と思うほうだったのですが、2014年あたりから「会社に問題があるんじゃないか?」と思うようになりました。
エージェントとしてはこんだけ人を紹介してはやめるのを繰り返していると、確かに金になると思いますが、「変な会社を紹介された!」ということで、エージェントの評判そのものが下がるので、人を紹介しなくなるのも当然だと思います。
どうやって新人をつぶしているの?
一言でいうと行き過ぎたパワハラです。
例を挙げていきましょう:
- 移動の車中では基本的に説教
- 明け方(4時頃)まで説教
- 深夜まで説教
- 転職してきて数日目からいきなり深夜残業
- 新人にはできない業務を適当に丸投げて、できないことを批判する
- 暴力、暴言、人格の否定、人間性の否定等
※一応米国の大企業の日本法人で、従業員は9割くらい大卒の会社です。
こんな感じで一部の管理職の行き過ぎたパワハラにより、新人がつぶされていき、入って一年くらいでやめていきます。私と後輩で一所懸命フォローに回ったり指導員をしたところで、いきなり先輩の号令でパシリとかをやらされて、そこから負のスパイラルに陥っていくという流れです。
一つの転職エージェントから継続して採用していたのですが、異常事態ということでついに「紹介できません」とエージェントから宣告されたようです。ちなみに事務員も紹介予定派遣で採っていたのですが入社して3か月もたたずに「使えない」と判断されクビにしまくっていたら、派遣会社から「紹介できません」と言われて、事務員も一時期は採用が困難な状態が続いていました。
なぜこんなことが起こるの?
パワハラを野放しにしているマネジメントや人事の責任だし、新人は叩いて伸ばすという古い考え方を是正できないところです。時には叩くことも必要ですが、毎日ボロボロになるまで叩かれていたら、どんなにタフな奴でも、いやになって会社を去ります。
本当に誰も気づいていないのなら心の底からぼんくらだと思いますが、いじめや恫喝ともとれるパワハラを繰り返して、従業員が一人でも自殺したら会社は社会的に抹殺されるか、会社運営に大きな制約がかかり企業の発展に支障をきたすことは必至です。
私よりも上の立場の誰かが「これじゃぁ、だめだ」ということに気付いて、一つずつ是正していかなければ、会社は衰退の一途をたどるのみです。
いつパワハラの被害者になるのかわからない私は会社を去ることを決意しました。一応年間10億円ほどの商売をさばき、取引先の数も所属している営業部では一番多く、面倒くさい中小企業の相手もしているので、抜けたら混乱は避けられませんが、しょうがないですね。それも、会社の責任です。
終わり