退職検討理由は面接で正直に言うと絶対に合格できないと思いますが、考えを整理するのも兼ねて、考えていることを全部書いてみたいと思います。
1.後輩がいない/続かない
私は7年前(2012年)に入社して、入社以来ずっと東京営業部に所属しています。私の後に6人の後輩が入りましたが、今でも続いているのは1人(1年後輩)だけです。これは東京営業部だけの話であり、会社全体で考えると私の後に入った営業の後輩は11人いますが、3年以上続いているのは、やっぱり一人です。
27歳の時に入社して今34歳ですが、いまだに下っ端で、飲み会の幹事や重いものの持ち運びなどから抜け出せません。それ自体は構わないのですが、入ってくる後輩をムチで叩いて、パワハラで追い込んで、つぶしていき「あいつはだめだった」という風潮にいい加減耐えられなくなってきました。
唯一の後輩と「次こそ辞めさせないようにしよう」と話すのだけれど、私たちの思いを完全に無視して、会社は今日も若者を追い込んでやめさせていきます。
最近辞めた後輩に聞いた話だと、弊社はいつも使っている転職エージェントでブラックリストに載ってしまったようで「考えを改めない限り、今後人を紹介しない」と宣告されているようです。マジかよ・・・。
2.組織の年齢分布の悪さ
私の所属している東京営業部は異常なほど年齢分布がいびつです。多くが現在50代後半、人によっては還暦を迎えている人もいます。現在10人の営業マンがいますが、7人が55歳以上で、あと5年もすれば全員が還暦を迎えます。
考え方を変えればあと5年もしないうちに、私たちの時代がくるとポジティブにとらえることもできます。しかし、年齢分布の悪さ、今後迎える大量の退職の先に待っているのは、後輩のいない会社であり、自分に降りかかる激務は目に見えているのです。
このまま、今までのように後輩を育てずに、叩いてはやめさせを繰り返していると、10年後には本当に会社がなくなっているかもしません。50人くらいしかいない会社だからこそ、人事戦略が大切です。
3.パワハラ
別に自分はそこまでの被害者になっていないのですが、私の直属の先輩(38歳くらい)の人のパワハラが猛烈です。
- 明け方(4時とか5時)まで説教
- できもしないことを新人に任せて「なんでできないんだ!」と詰める(深夜 or 明け方まで)
- 思い通りにならないと基本怒鳴る
- ナンバーワンセールスマンなんだが、自分以外がナンバーワンになるのがどうしても許せない
自分はまだそこまでの被害にあっていませんが、「こんな人とあと25年も一緒に働けるのか?」と自問自答を繰り返しているうちに「無理だ!」という結論に達しました。
自分がパワハラの被害にあって、朝まで説教された後に運転して出かけて事故を起こして死んだり、うつ病になって自殺したりしたら、残された家族はどうなるの?私には家族がいて、二人目の子供も生まれてくる中で、家族に対する責任もある中で、この人とあと25年は無理だという結論の上で、退職を検討することとしました。
後輩が辞めていくのも、結局この人が99%くらいの原因。
4.事業の将来性
ガソリンエンジンに大きく依存している会社なので、今後電気自動車化が進むことで事業が拡大していく展望を見出すことができません。「ガソリンエンジンの車の出荷台数=弊社の設備の売り上げ」と考えてもいいくらい、ガソリンエンジンに強烈に依存してます。中小企業や重工業、航空機などにももちろん設備は売れていますが、自動車の比ではありません。
自動車各社は2020年ころをめどにガソリンエンジンの生産に対する投資が一服というめどを立てています。電気自動車に対する提案なども弱いので、電気自動車ではそこまで大きなマーケットを取りに行くことができません。右肩下がりの事業モデルしか見通すことができません。
~一応転職の面接の理由はこの話を膨らませようと思っています~
5.ワークライフバランス
ここ1年程、入社以来最大レベルの激務です。特に年が明けてからはひどく、早くても22時、遅いと日付が変わっています。一方で、会社で暇をこいて昼寝している人、雑誌読んでる人などがいるのも事実で、できればそういう人たちと業務を分担しながら仕事をしたいと思っているのですが、なかなかそういう風にはいきません。
担当している客先も東京の営業部では最も多く、年間10億円くらいの商売をさばいていますが、いろいろなものが隙間からぽろぽろ落ちていくのを見逃したくありません。しかし、私の使える時間は有限で、すでに限界を超え始めています。こんな生活をしているもんで、妻(妊婦)からは毎朝ぼろくそに言われています。
それと、2年に1度の展示会で30連勤とか40連勤を平気で課してくるのもやめてほしいと思っています。
6.今の会社のよいところ
悪口ばかり書いていましたが、今の会社にもいいところはたくさんあります。というか、私が不満を書いているものがなくなれば、最高の会社だと思います。
- 圧倒的な商権の強さ:すべての完成車メーカー、重工メーカー、それに準ずる製造業の会社ほぼすべてと直接取引できる口座を持っています。従業員50名にしては圧倒的と言って言い過ぎではない商権の強さです。
- グローバル企業:世界従業員3,000人、アメリカに本社を置き、ドイツ、スイス、インド、中国、ブラジルに製造拠点を置く、まぎれもないグローバル企業です。年に一度の国際会議に出れば世界中の色々な地域から人が集まり、全員で酒を酌み交わす、最高のグローバル企業です。
- 高い技術力:特定の分野においては技術の根幹をなし、世界各国の工業基準の中に必ず名前が載っているほどの技術力を有しています。米国とドイツの工場には工学博士持ちが複数在籍し、常に新しい技術提案、技術開発を行っています。グローバルニッチとしては最高ランクの会社になると思います。
- 給料が高い:私は34歳ですが、年収は800万弱です。従業員50名ほどの中小企業、国家資格が必要な専門職でもないのにしては、かなり年収が高い部類に入ると思います。必要な技能は英語と工業技術一般に対する理解の深さくらいです。
- 社会貢献:自動車と航空機の根幹をなす技術を持っているので、弊社の技術がなければ自動車産業はここまで発展しなかったし、航空機産業もここまで発展しなかったといえるだけの技術を持っています。いまだに自動車産業と航空機産業ともに弊社に大きく依存し、自動車の製造、航空宇宙産業の発展に大きく貢献しています。
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正直に話すと、弊社はとてもいい会社です。私が不満を書いたようなところを正していき、コーポレートガバナンスとコンプライアンスを強化していけば、さらに事業が伸びていく可能性もあります。私も今の会社で勤め続けられる環境が用意されるのなら勤め続けたいと思っています。
しかし、残念なことに、新人が辞めることを問題視しない、パワハラを止める人がいない、ワークライフバランスの改善に乗り出せない、こういったところが原因となり、私は会社を去ることを決め転職活動を始めることにしました。
人の流出が止まらないとか新人がいつかないという会社があれば、私のこんな駄文でも参考になればよいと思います。
終わり