今まで入院するような病気は痔と食中毒くらいしかしたことのなかった父親が今年の健康診断で胃がんが見つかった。あれよあれよと、あっという間に手術日程が決まり、腹腔鏡手術で胃の2/3を取ったのが今年の初夏の話。
59歳。
内視鏡じゃないと絶対に見つけられないような小さな小さな胃がんだったが、医者が言うにはあと一年遅ければ手遅れだったらしい。手術後はしばらく離乳食の様なものを食っていたようだけれど、今ではすごく脂っこいものや生ものなどを除くとほとんどなんでも食べられるようになるまでには復活した。
しかし、食べる量は減っているし、栄養の吸収も悪くなっているのだろう、会うたびに少しずつやせていく。
今度はまた別な病気が見つかったので一週間くらい入院すると母から電話があり、今度はなんか泌尿器科の病気で入院することになってしまった。
60を前にして色々な病気になって、入院したり退院したりしているのを見ると、親の命も有限というのにいい加減気づく。今までは盆暮れGWのうちどれか一回でも帰ればいいかなと思っていたけれど、もう少しだけ帰省する回数を増やそうかなと思った。
死んでしまっていくら墓参りに行っても、そこにいるのは死んだ人だし。
死人に金を使うほど無駄なことはない。
そんな話。