先輩氏が社内の他部署と折り合いが悪いらしくて「担当者を替えてほしい」と言われていると聞いた。社外の人からも「替えてほしい」と言われているのも聞いた。上司は現状を維持してこれまで通りの体制を貫いていきたいようだけれど、俺はそれには少し懐疑的だ。
俺のいる部署はサービス部で、営業の人が売った機械の保全や部品の販売などを行う部署だ。先輩は機械営業の部門との折り合いがつかないようで、担当を別な人に替えて進めていきたいとだいぶ上の方から打診されたようだ。
俺が先輩を変えた方がいいなと思うのは、営業とサービスは二人三脚の仕事で、呼吸がある程度合っていないと有り得ないミスが起こったり、バラバラに行動してボタンのかけ違いや連絡の行き違いが起こったりする可能性が高くなるからだ。キッツイ担当者や問題にぶち当たったりした時、二人で立ち向かえるのに、一人で抱え込んで辛い思いをしたりするかもしれない。客からもなんかチグハグなのを見透かされて、そういう穴を突かれたり、連絡がうまくいっていないので何回も同じ説明をする手間がかかったり、弊社起因で客にストレスを与えるのも良くないと俺は思っている。
そういう、何かうまくいかない、ギクシャクした関係が作り出す綻びを競合メーカーは嗅ぎつけて刺しにきて、取引先を失うという可能性だって十分に考えられる。実際にそれで取引先を失っている地域もある。
上司もあと二年くらいで定年退職で、自分が部門長をやっている間に大きな人事異動を起こして売り上げが落ちるのを避けたいようで、現状維持する方に舵を切っている。新しい仕事を失ってでも既存の仕事を守るような選択も多い。「既存の体制が良くない」と内部からも外部からも指摘が上がったのなら、俺はそれを受け止めて、体制を入れ替えるのが良いと思っている。
ちなみに俺の北海道異動がなくなったのも同じような理由で、既存の体制を入れ替えて売り上げが落ちるということを過剰に恐れていて、俺の持っている特殊性の高い仕事を同僚に譲ることでさえ過剰に恐れていて、どうしても一歩を踏み出せないでいる。しかし、リスクを分散する点からも、俺の仕事は分散して誰でもできるようにした方が絶対にいいのである。
