よくいるじゃないですか、なんかトラブルがあるとすぐに怒鳴る人。
私は産業機械を扱う会社で営業職をしているのですが、機械が止まると怒りだす人がいるんですよね。怒鳴り始める人とか、罵倒し始める人とか、気に入らないととにかく他人に怒りをぶつけないと気が済まない人って、いるんですよ。
我々の納めた機械がトラブルを起こしたり、納期が遅れて生産に影響でているのとか、精度出なくてオシャカ出しまくってるのとか、よくわかるよ。
でもねぇ、営業に怒鳴っても、罵倒しても、文句言っても、機械は治らないし、部品は手に入らないんだよ。
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昔、ある会社で導入して数年経った機械が壊れたことがありました。
なんで壊れたのかは不明だけれど、保証期間も過ぎてるし、部品を取り寄せて修理しなくてはいけません。
部品の納期:4か月。
機械はすぐに直さないといけない。
なぜか呼び出され、しょうがないから話を聞きに行くことに。
いきなり怒っている担当者。
よその会社の人である私のことを「馬鹿」だとか「あほ」だとか「つかえねぇ」とか罵り、言い尽くせる限りの罵詈雑言を私に浴びせ打ち合わせ終了。
私が打ち合わせ中に考えていたこと?
「あぁ、早く終わんねぇかなぁ~」
1時間くらいの打ち合わせでしたが、それしか考えてませんでしたね。
打ち合わせ終了後、部品メーカーから連絡が、「Shinjinさん、部品即納できるのがありました!!!」
事前の打ち合わせで極限までののしられていた私は完全に頭に来ています。
私の勤めている会社には定価というものは存在しません、中小企業なんてそんなもんです。
金額はすべて営業のさじ加減で決まります。
結果、100万円くらいの部品だったのですが、500万円くらいになりました。
ざまぁみろ!としか思いませんでしたね。
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もう一つの会社の話をしよう。
その会社は私が行くといつもお昼をご馳走してくれたり、機械が壊れても納期が遅れても怒鳴るようなこともないし、罵倒するようなこともない。注意はされるし、依頼はされるけれど、絶対に敵は作らないような交渉をする。
過剰な値引き要請とかしない。
人柄かもしれないけれど、うまいなぁ、と思う。
あるとき、ふつう3ヵ月で作るものを1ヵ月で作れないか相談された。
なんと、できた!
3週間で。
特別納期ですが、通常の価格です。
なぜか?
さじ加減だよ。
その会社の担当者とは今でも懇意にしています。
交渉がうまかったのか運が良かったのかわかりませんが、いい関係ですね。
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何が言いたいのかというと、取引先は大切にしましょうということです。
前の会社に勤めているときに先輩に言われて、今でも意識していることがあります。
「どんな小さな取引先だって、わが社にとっては大事な大事な取引先だ。うちが買ってるとか売ってるとか関係ない。その会社がなければ、物は作れないし、売れないし、経営は成立しない。取引先はすべて同じ、同等に大切に扱え。」
と、いうようなことを言われました。
自分が外に出てよその会社と仕事をするとわかるのですが、その通りですね。
取引先を大切にしないと、結局損をしているのは自分なんですよ。
取引先と仲良くして、得をするのも自分なんですよ。
終わり。