ちょっと、俺

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「十年、人が腐るには十分な長さだ」

子供の頃に読んだ「るろうに剣心」の剣心のこのセリフが強烈すぎて、十年というと大体このセリフが想起される。

斎藤「十年・・・・言葉にすれば僅か二文字だが生きてみれば随分長い年月だったな」

剣心「・・・ああ・・・・人が腐るには十分な長さのようだ」

その後『るろうに剣心』を読み進めていくとわかることなんだけれど、10年の中でも斎藤は腐ることも、変わることもなく、「悪即斬」という己の持つ絶対的な正義の下、新しい時代を斎藤なりに生きている。

関係ない話はここまでにして、お題で「10年で変わったこと・変わらなかったこと」とあるので、答えてみよう。3回転職した、子供が2人生まれた、家を買った、太ったとか、いろいろあるけどありきたりすぎるので、少し違う話。

10年前、俺は静岡県の富士宮市に住んでいて、恋人(今は妻)は東京の府中に住んでいた。世に言う遠距離恋愛というやつで、週末になると俺が東京へ遊びにいくことが多かった。移動は電車で、道中暇なのでたくさんの本を読んだ。

その当時読んだ本はほとんど売ったり捨てたりしてしまったので、家にはほとんど残っていないんだけれど、本を買った日と読み終わった日と、1行程度の感想を書いた当時の読書記録が残っている。

近々引っ越しをすることになったので、家の片付けをしている。まだ捨てていなかった当時の本が出てきたので、読んでみると当時の自分が持った感想と少し違う感想を持っている。「いい話だな」と思っていたものが陳腐な話に感じたり、「わけわからん」と思った本の内容がわかるようになったり、いろいろな変化がある。

10年間本棚に眠っていた本の内容が変わるということはないので、10年の中で経験したいろいろなことが自分の感性をアップデートして、本に対する見方も変わったんだろう。

自分ではなかなか経験できないことを本を通して疑似的に経験するとか、知識を吸収するために本を読むとか、読書には色々な目的があるのだけれど、時を超えて変化した自分自身の感性を知る、というのもまた読書の楽しみの一つではないかと思う。

最近感じた10年の間で感じた最も大きな変化が「10年前と同じ本を読んでみたら違う感想を持った」だった。

俺が最近感じた10年で変わったこと・変わらなかったこと

 

はてなブログ10周年特別お題「10年で変わったこと・変わらなかったこと