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パワハラを放置した組織の末路

罵声や怒号が飛び交う会社に通っていたらついにメンタルをやられて、休職することになりました。転職活動も並行して進めていたので、このまま数カ月の休職ののちに退職し、新しい職場へ行くことになります。

 

どのようなパワハラが行われていて、組織にどのような影響が及ぼされているのか、せっかく「パワハラ上等!」みたいな人がいる職場で働いていたので、まとめてみます。

 

パワハラを行っている人は誰か?

一つのチームをリーダーとして任されている営業の中間管理職。

 

「仕事は非常にできて有能、客からの信頼も厚い」というのが上からの評価で、大きな客先やプロジェクトなどを任され、「俺が売っている!」という大きな自負をもとに営業成績をバリバリ上げている。

 

一方で一部の取引先からは「連れてこないでほしい」とか「怖いので連絡したくない」という評価も受けているし、後輩である我々からの評価は「後輩をパシリに使って面倒なことは後輩にやらせて、自分で売ってるはないよなぁ~」とか「売ってるといっても、先輩たちの作ったレールの上をうまく走らせているだけ」というような評価でもある。

 

倫理感に乏しく「これは倫理上なしだよなぁ~」ということも平然と取引先に提案したり、人に押し付けたりする。新しいプロジェクトなどを進めるときにも、周囲との合意形成や意見調整も行わず「今日から俺の言った通りにしろ!」という感じなので、言っていることは正しいのかもしれないが、人をひきつけ先頭を走るに十分なリーダーシップを発揮することができない。

 

どのようなパワハラを行っているのか?

中間管理職という立場上、後輩や部下の指導を行うのだが、その指導がとんでもない。

  • 基本的に誰に対しても攻撃的で威圧的な態度
  • 思い通りにならないと罵声や怒号が飛び始める
  • 感情をうまくコントロールすることができず、一度火が付くと永遠に他人を罵ったり攻撃したりし続ける
  • 他人の行動や仕事の進め方を徹底的に管理し、自分のやり方から外れていると指導という名の罵声や怒号
  • 明け方や深夜にまで及ぶ説教という名目でひたすら罵り続ける
  • 質問一つにこたえると、10くらいの不満や意見が返ってくるので、とにかく面倒くさい
  • 人前だろうと取引先の前だろうと、思い通りに進んでいないことに対してひたすら追求する(そのため、一部の取引先からは「来ないでほしい」とか「怖い」と言われる)
  • 思った通りに回答できないと、罵声や怒号
  • 気に入らないことに対しては長いメールを本人とマネジメントに直接送りつける

とにかく、他人が自分の思った通りに動かないと、指導という名のもとで詰問し、エキサイトすると罵声や怒号が飛び始め、それが深夜とか早朝まで当たり前のように続く。私が通院している病院の先生に言わせると「犯罪」と言われるレベルのパワハラである。

 

本人の言い分は「後輩のため」「部下のため」「会社のため」であるのだが、周囲から見ていると「ただのパワハラ」、場合によってはただの「恫喝」である。

 

自分の所属部署のみでなく、他部署や他店にも正面切って文句言いに行くので、ますます手が付けられない。

 

社長や役員を筆頭とするマネジメントは何をしていたのかというと、彼のことを野放しにして放置していたのである。

 

パワハラを放置していた結果起こったこと

とにかく他人がやっていることは何もかもケチをつけないと気に入らないので、彼が事務所にいるときの雰囲気は最低である。自分のコミュニケーションや成果物の何がピックされてガミガミ言われて、爆発するのかわからないので、できるだけみんな静かに過ごしている。「ピリッとした緊張感のある職場」ではなく「ギスギスという音が聞こえるくらい雰囲気の悪い職場」である。

 

いつ何に対して「指導」が入り、エキサイトして深夜や早朝までの「指導」という名の「恫喝」に切り替わるのかわからないので、だれものびのび働くことができず、常に彼の目を意識しながら縮こまって働くようになってしまう。

 

思った通りに行かないと怒号や罵声がいきなり飛んで呼び出され、怒鳴りつけられたり、恫喝されたり、攻撃されたり、とにかく手が付けられない。怒鳴られたほうはますます萎縮し、ミスが増え、能率が下がり、またまた恫喝され、ミスが増えて、さらに能率が下がるという負のスパイラルを延々と繰り返してしまう。

 

というような感じで、最低な雰囲気の職場となってしまった。雑談や世間話は皆無だし、何なら個人的に問い合わせたいことであっても話しかけずにメールで済ませるような最低なコミュニケーションの状態だ。新人も入っては辞めるのを繰り返し続け、ついに転職エージェントからは人を紹介しないという通達を受けるほどだ。

 

私にとって幸いなのは、やめていった新人たちは誰一人として後遺障害の残るような精神疾患を患うことなく、今は次の会社で活躍してくれているところだ。

 

自分の身に降りかからなければ、大丈夫?

「自分自身はパワハラの被害者じゃないから大丈夫!」と思っていても、他者に対する攻撃や恫喝を日常的にみていると、知らない間に精神的にこたえてきます。人が攻撃されたり、恫喝されたりするのを日常的に見ていて、気分がいい人というのはあまりいないと思います。

 

「いつ自分がその被害者になるのか」というのは、実は誰もわからなくて、自分の行動の何かが彼の導火線に火をつけて爆発したら、自分もいつ被害にあうのかわかりません。これからの長い人生の中で、そういう人と同じ職場で働き続けるということは、常に自分が異常ともいえるレベルのパワハラの被害者になるリスクを抱え続けたまま働くということです。

 

でかい組織で従業員が1,000人以上でもいれば配置転換によってパワハラと距離を置くことができるようになる可能性はあると思いますが、従業員100名以下の会社でこのような人と働き続けるのは、単純にリスクです。自分が追い込まれすぎて病気になったり、場合によっては精神的疾患から職場復帰不能となり失職したりするリスクがゼロではありません。

 

私は会社を辞めることにしました

「こんな環境で働いていたら病気になる」と思い、辞めることに決めました。実際病気になったんで、少し手遅れだったんですけど、早目に行動していてよかったとしか思いません。

 

現職では8年勤め、年間の売り上げが7億円前後、でかい取引先を任され、周囲の人ともまぁまぁうまくやり、時には後輩の悩みを聞いたり、相談に乗ったり、いわゆる「中堅」と言われるポジションです。客先との関係も良好で、ちゃん付けで呼ばれることもあるし、取引先のイベントに呼ばれたりするような良好な関係を築いている取引先もあります。

 

たった一人しかいない後輩も辞めるという旨の連絡を最近受けました。勤続7年、年間の売り上げが5億円前後、でかい取引先も任され、細かい部品の手配や工事日程の調整も嫌がらずに行う、まじめな後輩です。

 

私の休職は他部署の同世代の人にも波紋を広げ始め「もしかしてこの会社に未来はないのじゃないか?」という話にもなっているようです。他部署の若者がどのように判断するのかは分かりませんが、彼らだって今後30年間勤めていく中で常にパワハラの被害者になるリスクは抱え続けているというのは理解しておいてほしいと思います。

 

マネジメントはパワハラを放置せず、毅然として罰則を与えるべき

パワハラを放置した結果、弊社からは若者が消えることとなり、残ったのはパワハラ先輩とおっさんたちです。

 

目に見える数字としては年間12億円の商売をさばいていた二人が抜けるので、ほかの人たちに12億円分の仕事を割り振るということです。

 

目に見える数字以外にも、ほかの人がやりたがらないパシリのような仕事や、飲み会の幹事、同年代の同僚の話や相談を聞く人というのも、失うこととなります。新しく人を採用するコストもかかるし、今後入ってくるであろう新人たちが全員パワハラでつぶされる可能性を常に持ち続けています。若手が二人抜けることでの同年代やそれ以下の世代の士気の低下、モチベーションの維持、若手の教育などはますます困難になっていきます。

 

それもこれも、組織として毅然とした対応ができずにパワハラを放置し続けた結果です。録音するとか、防犯のために監視カメラを設置するとか、パワハラを規制し取り締まり、罰則を与える方法はいくらでもあったはずです。事なかれ主義でパワハラを是とし、放置したなれの果ては、組織の弱体化で、士気の低下です。場合によっては取引先との信頼関係にも影響が出て、売り上げにも影響が出てくる可能性も否定できません。

 

パワハラ先輩は優秀な人で会社に多くの利益をもたらしているのかもしれませんが、彼が会社にもたらすリスクと合わせて比較すると、私はパワハラを野放しにし続けた結果会社が最終的に得た不利益とリスクのほうがずっと大きいものだったと思います。

 

もしも、職場で明らかなパワハラを目撃した時に、マネジメントが毅然と対処できないのなら、そんな会社はさっさと去るべきです。そんな会社に未来はないと思います。

 

終わり