ちょっと、俺

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3度目のアメリカ出張

前の会社にいるときの3度目のアメリカ出張でのこと。

 

この出張が終われば一年近く取り組んでいたアメリカ関連の仕事もケリがつくとわかっていたので、この出張を機に退職しようと決めていた。

 

アメリカについてすぐの車内で一緒に来ていたMさんに「今回は一緒に来ましたが、実は、この出張を最後に会社辞めるって決めています。まだ誰にも言ってないんですが、もう決めてることだし、最後の仕事だし、いいかなって思いました。」と言って、そんなことを打ち明けた。

 

せっかく仲良くなったのにMさんはがっかりするだろうなと思っていたのだが「そうか、残念だな」と言った後に、もう一言「実は、俺もこの出張を最後に会社を辞めるんだ。」と、まさかの驚き発言。

 

私はやめた後の行先は特に決めていなかったんだけれど、Mさんは既に競合メーカーからヘッドハンティングされて、そこへ行くことが決まっていた。やめる人が二人、まさか一緒にアメリカに出張に来ることになるとは思っていなかったが、それはそれで楽しく出張を過ごすことができた。

 

もう7年も前の話だ。

 

アメリカ出張から帰国後、新しくインドネシアの仕事も始まりそうだったのだけれどその仕事にはコミットせずに辞めた。やめる前には世話になった人や取引先には挨拶をして回った。行先が特に決まっていないということを言ったら「うちに来ないか?」とお誘いも受けた。

 

アメリカ出張から帰国して3か月後に私は会社を辞めて結婚した。転職先が決まらないまま婚姻届けを出すことになり、婚姻届けには堂々と「無職」と書いて出した。その後転職先も決まり、子供も生まれた、7年なんてあっという間だ。

 

私の退職から数ヶ月後、Mさんもやめた。お互いが辞めることは知っていたが、お互いの退職については一切触れずに最後の何ヶ月かを過ごしていた。

 

Mさんとは今でもいい友人である。

 

これが私の前の会社を辞めたときの話

 

おわり