ちょっと、俺

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夏は夜

本の学校なら多分どの学校でも『春はあけぼの』を古典の時間に習うと思う。

 

私は確か中学生の古文の時間に習った(ような気がする)。

 

『春はあけぼの』を学んだ中学生の頃、私には風流や季節感などというものは全然わからなかったので、『春はあけぼの』の意味なんて全然入ってこなかった。今でも意味なんてほとんど分かっていないけれど、少しだけ理解できるところが増えてきた。

 

「夏は夜」
 

夏は夜なのである。

 

夏は夜。
月のころはさらなり、やみもなほ、ほたるの多く飛びちがひたる。
また、ただ一つ、二つなど、ほのかにうち光るて行くもをかし。
雨など降るもをかし。

 

光害で星なんてほとんど見えず、お月様くらいしか見えない、蛍なんて見たことないんだけれど、「夏は夜」なのだ。熱帯夜で寝苦しいし、風が吹いても生ぬるいし、風呂に入ってもすっきりしない、けれども「夏は夜」なのだ。

 

なぜか?

 

分からないんだけれど、夏は夜がいい。

 

灼熱で騒々しかった昼間から、雰囲気の落ち着いた夜。クーラーの効いた部屋でのんびり酒を飲む、涼しければ窓を開けて、風を通してのんびり酒を飲む。「夏は夜」なのだ!

 

枕草子が思っていたことと全然違うと思うんだけれど、夏は夜である。

 

おしまい