僕は朝青龍が好きです。
もう引退しちゃっただけどね。
朝青龍の全盛期は僕が大学生の時(2004~2008年頃)で、場合によっては学校をさぼったり、学校のテレビで相撲を見たりしていました。
朝青龍って、色々言われていたけれど、本当に魅力のあるいい横綱だったと思います。
言われてたのは主に品格とか、品格とか、品格とかだけどね。品格とか言われていたけれど、そもそも品格というのが何なのか全然はっきりしない、何が品格なのかと言われると誰も答えられないだろ?
- 左手で懸賞金を受け取ること?
- 土俵外でちょっと旭鷲山といざこざを起こしたこと?
- ケガをしていると言って休場して、モンゴルでサッカーしちゃったこと?
- 高砂親方に黙ってモンゴルに帰国しちゃったこと?
- モンゴル帰りに髷をゆってなかったこと?
- 着物を着ないでスーツで出歩いちゃったこと?
別にいいじゃん?
そんなのをぶっ飛ばすくらい、最高の横綱だったと思います。
そんな、朝青龍の良さをいまさらながら思い起こしたいと思います。
1.テレビ越しでも伝わる、抜群の闘志!
仕切りを進めていくと、少しずつ盛り上がってくる雰囲気。
時間いっぱいになった時の腹太鼓で「シャッ!」と掛け声を一発。
そしてカメラをにらみつける。
もうねぇ、なんか変なエフェクトがかかってるんじゃないかというくらい、朝青龍を中心に空気が集まっていくあの感じ、すげぇよ。神がかってるとしか言えない。
テレビで相撲を見ていた僕は、いつも朝青龍と一緒に「シャッ!」とやってました。
これがすべてなんじゃないかって思う。
2.抜群の運動神経と多彩な技
朝青龍相手に変化しても、なぜか土俵際でくるりと回り、反撃に打って出る。
何それ?反則じゃねぇ?というレベルの運動神経。
「すげぇ!」としか言えない。
抜群の速攻相撲もあれば、四つ相撲からの投げも打てる、吊り落としなんかのパワー系の技も得意、変化でもするかと思っても、くるりと回って気づいたら反撃に回っている。
なんかの反則キャラですか?
3.諦めない
変化した力士にもついて行ってくるりと回って反撃というのもそうだけれど、琴ノ若に裏返しにされても諦めずに投げを打とうとする執念とか、勝ちに貪欲で最後まで諦めない姿勢は見習いたい。
琴ノ若との一番はかばい手とか色々な論争があったんだけれど、どんな立場であれ、最後まで勝負を捨てないというのは本当に大切な姿勢だと思います。
4.滅茶苦茶
土俵の上では抜群に強い。
他者を寄せ付けない圧倒的な実力。
でも、土俵の外では滅茶苦茶。
場所後にさっさとモンゴルに帰っちゃったり、休んだと思ったらなぜかモンゴルでサッカーをしていたり、自分の歌を出していたり、結構滅茶苦茶してる。
そこを品格とか、品格とか、品格と言われていたんだけれど、そんなの別にいいんじゃないか?朝青龍だから気にしすぎてるだけなんじゃないのか?
僕は、朝青龍のそういう滅茶苦茶なところも含めて好き。
5.素直
朝青龍が年六場所完全制覇して、勝ち名乗りを受けるとき、人目もはばからずに涙していました。涙しながら、両手で懸賞を受け取った朝青龍は、私には本当にきらきら輝いて見えました。私まで涙してしまうほど、朝青龍は輝いていました。
貴乃花に負けて「ちくしょーっ!」と花道を出て、悔しそうに叫んでいた。
そういう、素直なところも好き。
素直な朝青龍が好き。
***
明るくて、闘士ムンムン、勝ちに貪欲で、後輩思い。
土俵の上で涙したり、モンゴルの先輩といきなりけんかになりそうだったり、優勝インタビューで「大阪の皆さん、おおきに!」とか言ってみたり、そういうの全部好き。
朝青龍が優勝すると場所後に行われる優勝インタビューは本当に華があったし、明るかったし、見ていて楽しかった。
大学生の僕は相撲を見ていたんじゃなくて、朝青龍を見ていたんじゃないかと思う。
品格とか素行とか、色々言われていたよ。
でもね、黒い社会とのつながりを噂された横綱もいれば、場所を休んでサーフィンしていた横綱もいるし、晩年は休場ばかりだった横綱もいるし、引退後に総合格闘家になり惨めな姿をさらした人もいるし、負け越した横綱もいれば、優勝を一回もしていない横綱もいる。
朝青龍ほど魅力にあふれた横綱はいないし、朝青龍ほど愛されて、朝青龍ほど嫌われた横綱もいないと思う。
品格ってなんだ?と言われれば、そんなもの誰もわからないんじゃないのか?
最後はなんだかわからないまま引退を迎えてしまって本当に残念だった。
朝青龍が去った後の相撲は見ていない。
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どうしても元気がないときとか、やる気が出ないときとか、下を向きそうなとき。
ネガティブなスパイラルに陥りそうなときって、あるじゃないですか。
そんな時は、朝青龍の取り組みを見て、一緒に制限時間いっぱいで腹太鼓で「シャッ!」ってやるんですよ。
いやなこと全部吹っ飛ぶから。
おしまい