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アメリカがパリ協定から脱退したニュースについて

工場のイラスト

 

珍しく早く帰ってきてNHKのニュースをぼけーっと見ていたら、アメリカがパリ協定から脱退する表明をしたというニュースが流れていました。「ふ~ん」と思ってみていたんですが、米系の外資系企業に勤めている僕にとっても他人事ではありません。

 

トランプのいうことも理解できます。鉄鋼やマイニングなんかの産業は、二酸化炭素の排出制限の影響をダイレクトに受けるので、規制せずに「ガンガン行こうぜ!」というトランプの気持ちもアメリカ人の気持ちもわかります。アメリカ国内の雇用や産業は一時的に伸びる可能性はあると思います。

 

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アメリカから機械を輸入する側の私の意見を少し述べたいと思います。私の勤めている会社は米系の機械メーカーです。アメリカから機械を輸入して、日本国内で販売しています。主な取引業界は、自動車、建機、航空機、船舶、重工業等で、最大の取引業界は自動車です。

 

アメリカで作っている機械ですが、半分以上は輸出用で作られています。日本にも年間数十台輸入されています。今のところ、機械が環境規制に引っかかって輸入できなくなったということは起こっていません。

 

目先の利益としてはパリ協定から脱退するというのはアメリカ国内の二酸化炭素排出量が多い産業へプラスになるかもしれません。しかし、僕の勤めている会社のようにアメリカの会社であっても輸出メインで食っている会社もあります。将来的に環境規制が厳しくなっていったとき、ここまでマーケットが国際化していって、ISOとかでがんじがらめにされていると、パリ協定から離脱したところで結局世界の先進の環境規制に合わせて物を作らざるを得なくなると思います。そうしないとアメリカの企業であっても輸出メインの会社は食っていません。

 

個人的感じるのは、パリ協定から離脱してもアメリカも輸出で食っている重工業関連の会社が結構あると思うので、国際的なアメリカの競争力を考えると、パリ協定から離脱したところで国内産業は一時的に伸びても長期的なアメリカの競争力を考えると、やっぱり国際的な基準には批准していた方がいいと思うんですね。

 

規制に引っかかって私の勤めている会社の機械が輸入できなくなったら、せっかく独占的ともいえる強い商権を作り上げたのに、根こそぎ技術をパクられて輸入ができなくなります。今は技術をパクるのが面倒くさすぎるんで、パクられていないだけですが、自動車メーカーが切羽詰まれば楽勝でパクれるような技術です。

 

私のようなのでも気づいているので、経営者ならもっと高いレベルで色々考えて、企業としてしっかり環境機にのっとった設備を作ってくると思いますが・・・。

 

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アップルとグーグルとかが反対しているというのもニュースでやっていましたが、アメリカ国内でハードウェアを作っていない産業の人々が反対意見をいうのはすごい簡単だと思います。

 

パリ協定離脱反対で、ホワイトハウスに怒りのアメリカ市民が集まっていましたが、その人たちもどうせ車で来たんだろうから、「どの口がトランプに文句言うんだ?」とも思います。

 

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個人的な戯言の塊なんで、きつい反論とか勘弁してください。

 

終わり